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民法サブノート第49問共有物の管理

第1.設問(1)について

1.Aは単独で共有物甲を修理することができるか。

(1)共有物の保存行為は各共有者が単独で行うことができる(民法(以下略)252条但書)。保存行為とは、共有物の現状を維持するための行為をいう。

(2)共有物甲を修理する行為は、共有物甲の現状を維持するための行為であり、保存行為にあたる。

(3)以上より、Aは単独で共有物甲を修理することができる。

2.Aは上記修理の費用をBCに請求することができるか。

(1)共有物の「管理の費用」は、各共有者が持分割合に応じて負担する(253条1項)。「管理の費用」とは、共有物の利用、保存、管理または変更に必要な費用等をいう。

(2)上記のとおり、Aの修理行為は甲の保存行為にあたることから、本件費用は「管理の費用」にあたる。

(3)以上より、AはBCに対しそれぞれ本件費用の3分の1の支払いを請求することができる。

第2.設問(2)について

1.AのCに対する共有持分権に基づく返還請求としての甲土地引渡請求をすることができるか。

(1)この点、共有持分権は、共有物の前部についてその持分に応じた使用を可能とする権利である以上、引渡請求ができるとも思える。しかし、引渡し請求を認めると、独占利用しているのも共有者であるため、その物の本来の利用権をも奪ってしまうことになる(249条)。したがって、当然に引渡しを求めることはできない。

 本件においても、甲を独占的に使用しているのは共有者の1人であるCであることから、AはCに対して当然には引渡しを求めることができない。

(2)もっとも、Aが引渡を求める理由を主張立証できれば引渡を認めるべきであると考える。

 具体的には、共有物の占有利用のあり方は、共有物の管理に関する事項として、持分権の価格の過半数をもって決することができる(252条本文)ので、AがBCと協議し、あわせて持分の3分の2を有するABの賛成により、Cの利用を認めない旨の協議を成立させた場合には、引渡を求める理由があるといえ、Aの引渡請求は認められると考える。

2.Aは不当利得返還請求(703条または704条)として、Cに対し、使用料相当額の支払いを請求することができるか。

(1)Cは自己の持分の範囲を超えて甲を使用することで利益を受け、それによってAが損失を被っている。そこで、Aは不当利得返還請求(703条または704条)として、Cに対し、かかる利益の額の支払いを請求することができる。利益額は、甲の賃料に相当する額と推定され、本件で推定を覆す事情はない。もっとも、Aは3分の1の持分しか有していないから、請求できるのは賃料相当額の3分の1である。

 

 

不当利得返還請求のところは少し適当になっちゃいました