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古江事例演習刑事訴訟法33攻防対象論

 

 

1.本件で、控訴裁判所は破棄自判して起訴事実の全部について有罪とすることができるか。

(1)無罪部分も有罪部分と共に移審するか。

第1審判決がその理由中において無罪の判断を示した点は、包括一罪として起訴された事実の一部なのであるから、第1審判決に対する控訴提起の効力は、それが被告人からだけの控訴であっても、控訴事実の全部に及び、無罪判決を含めたその全てが控訴審に移審継続する。よって、無罪部分も有罪部分とともに移審する。

(2)それでは、控訴審は無罪部分について職権調査(392条2項)をすることができるか。

包括一罪を構成する各部分はそれぞれ一個の構成要件を充足し得るものであり、訴因としても独立し得たものである。無罪部分については被告人から不服を申し立てる利益がなく、検察官からの控訴申立もないのであるから、当事者間においては攻防の対象から外されたものと見ることができる。控訴審が職権により調査を加え自判することは、被告人に不意打ちを与えるものである。職権の発動として許される限度を超えたものであり、破棄自判して全部について有罪とすることは違法となる。

(3)以上より、本件判決は違法である。

以上

これでいいんでしょうか・・・!?