lawlawlawko’s blog

答案をアップしていきます #司法試験

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

古江事例演習刑事訴訟法33攻防対象論

1.本件で、控訴裁判所は破棄自判して起訴事実の全部について有罪とすることができるか。 (1)無罪部分も有罪部分と共に移審するか。 第1審判決がその理由中において無罪の判断を示した点は、包括一罪として起訴された事実の一部なのであるから、第1審判…

古江事例演習刑事訴訟法32一事不再理効

1.弁護人は前訴の5件の窃盗と本件常習特殊窃盗とは実体的にー罪を構成し、その一部である前訴の窃盗について既に確定判決を経ているから、前訴の確定裁判の一事不再理効が後訴である本件に及び、本件については免訴判決を言い渡すべきであると主張した。 本…

刑法事例演習教材12赤いレンガの衝撃

1.甲の、Aの顔面を突いた行為につき傷害致死罪(刑法(以下略)205条)が成立しないか。 (1)結果的加重犯は基本犯の構成要件を充たせば成立する。傷害は暴行の結果的加重犯も含む。上記行為は人Aの身体たる顔面に対する突くという不法な有形力行使であり…

刑法事例演習教材8トランク監禁の悲劇

第1.甲の罪責 1.甲の、Aの顔面を手拳で数回殴打した行為につき暴行罪(刑法(以下略)208条)が成立しないか。 (1)「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力行使をいう。甲は人Aの身体たる顔面を手拳で数回殴打するという不法な有形力行使をしているか…

刑法事例演習教材6カネ・カネ・キンコ

第1.乙のアダルトビデオ3点を万引きした行為 1.乙の上記行為につき窃盗罪(刑法(以下略)235条)が成立しないか。 (1)乙にとって他人の所有する財物アダルトビデオ3点という「他人の財物」を、占有者たるB点の意思に反して自己の占有下に移転させており…

古江事例演習刑事訴訟法17科学的証拠

1.本件DNA型鑑定の結果に証拠能力が認められる要件は何か。DNA方鑑定はその信頼性が確立されているわけではないが、いかなる場合に自然的関連性が認められるか。 (1)そもそも自然的関連性とは、証拠に要証事実を推認させるのに必要な最小限度の証明力がな…

刑法事例演習教材5ピカソ盗取計画

第1.甲の罪責 1.甲の、倉庫の塀を飛び越えて敷地内に侵入した行為に、建造物侵入罪(刑法(以下略)130条)が成立しないか。 (1)囲繞地であっても建造物に含まれると考える。よって、本件塀は建造物に含まれる。 (2)「侵入」とは管理権者の意思に反し…

刑法事例演習教材3ヒモ生活の果てに

第1.甲の罪責 1.甲の人Bの身体たる顔や手足を手拳や平手で週数度叩く行為につき、人の身体に対する不法な有形力行使であり「暴行」にあたることから暴行罪(刑法(以下略)208条)が成立する。 2.甲の、Bの頭部右側を手拳あるいは裏拳で断続的に5回にわた…

刑法事例演習教材1ボンネット上の酔っぱらい

1.甲の、Aの顔面を手拳で軽く1回殴打した行為につき暴行罪(刑法(以下略)208条)が成立しないか。 (1)「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力の行使をいうところ、甲は、人Aの身体たる顔面を手拳で殴打するという不法な有形力行使をおこなっているか…

旧司平成18年度第1問憲法

第1.原告の主張 1.Xとしては、本件法律は放送事業者の広告放送を行う自由(憲法21条1項)を制限し違憲であると主張する。 (1)憲法21条1項は一切の表現の自由を保障している。その保障根拠は、人々が様々な表現に接することで自己の人格を形成発展させ、…

旧司平成11年度第2問民訴

第1.前提 1.前提として、本件訴訟物はどの範囲か。 (1)処分権主義(民事訴訟法(以下略)246条参照)の趣旨は、審判対象の確定を当事者に委ねることで当事者意思を尊重する点にあり、この趣旨から一部請求は問題なく認められる。また、訴訟物の範囲につ…

旧司昭和60年度第1問憲法

第1.設問1 1.Xとしては、外国からの輸入を規制しその生産物の価格の安定を図る法律(以下、本件法律)はXのような者のその生産物を原料として商品を製造する自由(憲法22条1項)を侵害し違憲であると主張する。 (1)「職業」とは、自己の生計維持のため…

エクササイズ刑事訴訟法第16問傷害事件②

設問1について 1.本件訴因は「平成29年4月頃から同年5月上旬頃までの間」「L市〇〇×丁目×番×号付近路上と同市□□△丁目△番△号付近路上との間を走行中の普通乗用自動車内、同所に駐車中の普通乗用自動車内及びその付近の路上等」「多数回」と概括的記載がなさ…

エクササイズ刑事訴訟法第15問傷害事件①

設問1について 1.逮捕に伴う捜索差押の前提として本件甲の現行犯逮捕(刑事訴訟法(以下略)213条)は適法か。 (1)逮捕を行うためには原則として令状が必要となる(憲法33条、刑訴法199条)。その趣旨は、逮捕の理由と必要性の判断を捜査機関に全面的に委…

エクササイズ刑事訴訟法第14問殺人事件

設問1について Nらの平成29年3月11日、甲方近くに停車した捜査用車両の中から、公道上を歩いている甲の姿をビデオカメラで撮影した行為は適法か。この点、身柄拘束した被疑者に対する写真撮影については明文規定が刑事訴訟法(以下法令省略)218条3項にある…

エクササイズ刑事訴訟法第13問遺棄事件

設問1について 1.弁護人は、甲は死体遺棄罪の単独犯で起訴されているところ、共犯者である乙が関与していることが明らかとなっていると主張する。そこで、本件は本来ならば共犯関係が成立するにもかかわらず、検察官があえて、実行行為を行ったものを単独…