lawlawlawko’s blog

答案をアップしていきます #司法試験

古江事例演習刑事訴訟法33攻防対象論

1.本件で、控訴裁判所は破棄自判して起訴事実の全部について有罪とすることができるか。 (1)無罪部分も有罪部分と共に移審するか。 第1審判決がその理由中において無罪の判断を示した点は、包括一罪として起訴された事実の一部なのであるから、第1審判…

古江事例演習刑事訴訟法32一事不再理効

1.弁護人は前訴の5件の窃盗と本件常習特殊窃盗とは実体的にー罪を構成し、その一部である前訴の窃盗について既に確定判決を経ているから、前訴の確定裁判の一事不再理効が後訴である本件に及び、本件については免訴判決を言い渡すべきであると主張した。 本…

刑法事例演習教材12赤いレンガの衝撃

1.甲の、Aの顔面を突いた行為につき傷害致死罪(刑法(以下略)205条)が成立しないか。 (1)結果的加重犯は基本犯の構成要件を充たせば成立する。傷害は暴行の結果的加重犯も含む。上記行為は人Aの身体たる顔面に対する突くという不法な有形力行使であり…

刑法事例演習教材8トランク監禁の悲劇

第1.甲の罪責 1.甲の、Aの顔面を手拳で数回殴打した行為につき暴行罪(刑法(以下略)208条)が成立しないか。 (1)「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力行使をいう。甲は人Aの身体たる顔面を手拳で数回殴打するという不法な有形力行使をしているか…

刑法事例演習教材6カネ・カネ・キンコ

第1.乙のアダルトビデオ3点を万引きした行為 1.乙の上記行為につき窃盗罪(刑法(以下略)235条)が成立しないか。 (1)乙にとって他人の所有する財物アダルトビデオ3点という「他人の財物」を、占有者たるB点の意思に反して自己の占有下に移転させており…

古江事例演習刑事訴訟法17科学的証拠

1.本件DNA型鑑定の結果に証拠能力が認められる要件は何か。DNA方鑑定はその信頼性が確立されているわけではないが、いかなる場合に自然的関連性が認められるか。 (1)そもそも自然的関連性とは、証拠に要証事実を推認させるのに必要な最小限度の証明力がな…

刑法事例演習教材5ピカソ盗取計画

第1.甲の罪責 1.甲の、倉庫の塀を飛び越えて敷地内に侵入した行為に、建造物侵入罪(刑法(以下略)130条)が成立しないか。 (1)囲繞地であっても建造物に含まれると考える。よって、本件塀は建造物に含まれる。 (2)「侵入」とは管理権者の意思に反し…

刑法事例演習教材3ヒモ生活の果てに

第1.甲の罪責 1.甲の人Bの身体たる顔や手足を手拳や平手で週数度叩く行為につき、人の身体に対する不法な有形力行使であり「暴行」にあたることから暴行罪(刑法(以下略)208条)が成立する。 2.甲の、Bの頭部右側を手拳あるいは裏拳で断続的に5回にわた…

刑法事例演習教材1ボンネット上の酔っぱらい

1.甲の、Aの顔面を手拳で軽く1回殴打した行為につき暴行罪(刑法(以下略)208条)が成立しないか。 (1)「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力の行使をいうところ、甲は、人Aの身体たる顔面を手拳で殴打するという不法な有形力行使をおこなっているか…

旧司平成18年度第1問憲法

第1.原告の主張 1.Xとしては、本件法律は放送事業者の広告放送を行う自由(憲法21条1項)を制限し違憲であると主張する。 (1)憲法21条1項は一切の表現の自由を保障している。その保障根拠は、人々が様々な表現に接することで自己の人格を形成発展させ、…

旧司平成11年度第2問民訴

第1.前提 1.前提として、本件訴訟物はどの範囲か。 (1)処分権主義(民事訴訟法(以下略)246条参照)の趣旨は、審判対象の確定を当事者に委ねることで当事者意思を尊重する点にあり、この趣旨から一部請求は問題なく認められる。また、訴訟物の範囲につ…

旧司昭和60年度第1問憲法

第1.設問1 1.Xとしては、外国からの輸入を規制しその生産物の価格の安定を図る法律(以下、本件法律)はXのような者のその生産物を原料として商品を製造する自由(憲法22条1項)を侵害し違憲であると主張する。 (1)「職業」とは、自己の生計維持のため…

エクササイズ刑事訴訟法第16問傷害事件②

設問1について 1.本件訴因は「平成29年4月頃から同年5月上旬頃までの間」「L市〇〇×丁目×番×号付近路上と同市□□△丁目△番△号付近路上との間を走行中の普通乗用自動車内、同所に駐車中の普通乗用自動車内及びその付近の路上等」「多数回」と概括的記載がなさ…

エクササイズ刑事訴訟法第15問傷害事件①

設問1について 1.逮捕に伴う捜索差押の前提として本件甲の現行犯逮捕(刑事訴訟法(以下略)213条)は適法か。 (1)逮捕を行うためには原則として令状が必要となる(憲法33条、刑訴法199条)。その趣旨は、逮捕の理由と必要性の判断を捜査機関に全面的に委…

エクササイズ刑事訴訟法第14問殺人事件

設問1について Nらの平成29年3月11日、甲方近くに停車した捜査用車両の中から、公道上を歩いている甲の姿をビデオカメラで撮影した行為は適法か。この点、身柄拘束した被疑者に対する写真撮影については明文規定が刑事訴訟法(以下法令省略)218条3項にある…

エクササイズ刑事訴訟法第13問遺棄事件

設問1について 1.弁護人は、甲は死体遺棄罪の単独犯で起訴されているところ、共犯者である乙が関与していることが明らかとなっていると主張する。そこで、本件は本来ならば共犯関係が成立するにもかかわらず、検察官があえて、実行行為を行ったものを単独…

旧司平成16年度第1問憲法

【問題】 13歳未満の子供の親権者が請求した場合には,国は,子供に対する一定の性的犯罪 を常習的に犯して有罪判決が確定した者で,請求者の居住する市町村内に住むものの氏 名,住所及び顔写真を,請求者に開示しなければならないという趣旨の法律が制定…

エクササイズ刑事訴訟法第12問覚せい剤所持事件

設問1について 逮捕に伴う捜索差押の前提として本件甲の現行犯逮捕(刑事訴訟法(以下略)213条)は適法か。 (1)逮捕を行なうためには原則として令状が必要となる(憲法33条、刑訴法199条)。その趣旨は、逮捕の理由と必要性の判断を捜査機関に全面的に委ね…

エクササイズ刑事訴訟法第11問背任事件

設問1について 1.罪名を「会社法違反」とのみしか記載していないが、適用法条まで記載する必要があるのではないか。刑法犯の場合には構成要件の一般名が記載されるため、罪名のみでいかなる被疑事実なのか明らかであるのに対し、特別法違反の場合には、刑…

エクササイズ刑事訴訟法第9問強盗事件

設問1について N及びOの職務質問をするために甲乙に「ちょっといいですか」と声をかけた行為は適法か。 職務質問は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者に対し…

エクササイズ刑事訴訟法第8問詐欺事件②

設問1について M及びPはNの接見を申し込んだNに対し、直ちに接見をすることはできない旨述べた上、接見を指定している。そもそも接見指定は認められるか。 接見交通権(刑事訴訟法(以下略)39条1項)とは、身柄の拘束を受けている被疑者・被告人が、立会人…

エクササイズ刑事訴訟法第7問詐欺事件①

設問1について Nらの甲方のあるアパートの大家から借りた合鍵を用いて甲方に立入った行為は「必要な処分」(刑事訴訟法(以下略)222条1項、111条1項)にあたり適法か。「必要な処分」の判断基準が問題となる。 本条の趣旨は、捜査に付随して目的を達成する…

エクササイズ刑事訴訟法第10問常習傷害事件

設問1について Nらの甲方のあるアパートの大家から借りた合鍵を用いて甲方に立入った行為は「必要な処分」(刑事訴訟法(以下略)222条1項、111条1項)にあたり適法か。「必要な処分」の判断基準が問題となる。 そもそも、222条1項、111条1項の趣旨は、刑事…

慶應ロー2014商法

第1.設問1について 1.平成25年7月1日に開催された甲取締役会の決議は有効か。 (1)本件取締役会には取締役ABCのうち「過半数」のABが出席し、両者が賛成しているから「過半数」の賛成があるといえ、有効であるようにも思われる(会社法(以下略)369条1…

エクササイズ刑事訴訟法第6問殺人未遂事件

設問1について 採血の手続きについて検討する。 (1)本件において、甲は意識を失っており、同意の上で採血を行うことができない。本人の同意が得られない場合、医師の判断として採血する手続きが考えられる。もっとも、同意なく採血を行うことについては法…

エクササイズ刑事訴訟法第5問恐喝事件

設問1について まず、恐喝未遂を被疑事実とする本件捜索差押許可状記載の差し押さえるべき物は「別紙請求書記載のとおり」つまり「預金通帳、金員出納帳、犯行計画を記載したノート・メモ・アドレス帳・手帳・電子データ、暴力団を標章する名刺・バッチ、そ…

エクササイズ刑事訴訟法第4問覚せい剤密売事件

設問1について まず、Nの行った、甲に覚せい剤の購入を持ちかけることをAに依頼し、それによって甲を現行犯逮捕(刑事訴訟法(以下略)213条)している捜査は、おとり捜査にあたらないか。 ア.おとり捜査とは、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、…

旧司H21刑事訴訟法

第1.A の撮影行為の適法性について 1.A は甲宅前路上から居室内で窓越しに顔を見せた甲の容ぼうをビデオ撮影している。この点、ビデオカメラによる撮影行為については法律に規定がないところ、「強制の処分」に該当すれば刑事訴訟法(以下略)197条但書…

エクササイズ刑事訴訟法第2問覚せい剤自己使用事件

設問1について MとNの職務質問をするために甲に声を掛けた行為は職務質問(警察官職務執行法2条1項)として適法か。 ア.職務質問は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理…

刑法事例演習教材22泥酔した常連さん

第1.本問について 1.まず、甲の酔った状態で自動車を運転した行為は、酒気帯び運転(道路交通法(以下、道交法)65条1項)にあたらないか。 (1)本件で甲は勤務先の新入社員歓迎会でかなりの量のビールや焼酎などを飲み、さらにスナック「嵯峨」で相当量…