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古江事例演習刑事訴訟法17科学的証拠

1.本件DNA型鑑定の結果に証拠能力が認められる要件は何か。DNA方鑑定はその信頼性が確立されているわけではないが、いかなる場合に自然的関連性が認められるか。

(1)そもそも自然的関連性とは、証拠に要証事実を推認させるのに必要な最小限度の証明力がなければならないことをいう。DNA型鑑定においては、①その科学的原理が理論的正確性を有し、②具体的な実施の方法も、その技術を習得した者により、科学的に信頼される方法で行われたと認められる場合に限り、最小限度の証明力を有するとして、自然的関連性が認められるものと考える。

(2)自然的関連性が認められるとき、いかなる場合に本件鑑定の結果に法律的関連性は認められるか。

本件鑑定の結果は、被害者の爪の中に遺留された細胞片がXのものであるという要証事実との関係で、供述内容の真実性が問題となる公判期日外証拠なので、伝聞証拠にあたり、同意なき限り(326条1項)原則として証拠能力が認められない(320条1項)。

(3)もっとも、伝聞例外にあたらないか。

 鑑定受託者の鑑定書は321条4項が準用され、法律的関連性は認められる。

(4)しかし、令状なく行っていた場合、証拠が排除されないか。

 DNA型鑑定については、重大なプライバシー侵害の恐れがある以上、試みようとするDNA型鑑定の具体的方法をあらかじめ明らかにし、その結果を忠実に記録にとどめるためにも、鑑定処分許可状(225条3項)を得る必要がある。

2.本件臭気選別結果に証拠能力を認めるための要件は何か。

(1)自然的関連性とは上記をいう。臭気選別結果は、①選別につき専門的な知識と経験を有する指導主が、②臭気選別能力が優れ、選別時において体調なども良好でその能力がよく保持されている警察犬を使用して実施した者であるとともに、③臭気の採取、保管の家庭や臭気選別の方法に不適切な点のない場合に自然的関連性が認められる。

(2)自然的関連性が認められる場合、臭気選別結果報告書は伝聞証拠なので、原則として証拠能力を有しない(320条1項)。

 もっとも、警察犬による臭気選別の経過及び結果のみを記載した報告書については、検証調書に準ずるものとして321条3項により証拠とすることができる。専門家としての指導主が警察犬の臭気選別状況、臭気選別能力などを総合的に評価して、その経過及び結果について一定の評価を記載した書面については、鑑定受託者による鑑定書の一種として321条4項を準用する。

以上

 

これでいいのかよくわかってない